『ほんまにオレはアホやろか』水木しげる(新潮文庫)
漫画家水木しげるの自伝である
水木しげるの漫画は知っていたが
水木しげるのことは知らなかった
学校に全くなじめない子どもであったこと
戦争中,南洋の島で負傷し片腕を切断したこと
戦後,紙芝居の世界で苦労を重ねたこと
漫画の仕事がなかなか認められずお金にならなかったこと
自らの作品が世に出て成功した人であるのに
この自伝には成功した話がほとんど出てこない
そこに水木しげるの偉大さがある
以下は,彼が成功した時期のわずかな記述である
『鬼太郎』が連載になり,その原稿料が入ってくるようになると,女房はびっくりした。
「こんなにもらっていいの」
南洋で腕を失い,九死に一生を得た時
彼は島の住民を見て次のように書いている
「本当の人間にはじめて会ったような気がした」
本当の人間だけが出会うことができる
本当の人間!

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